アルプスのMDプリンター

 デカールで悩んだ方はアルプス電気のMDプリンターという名前を一度は聞いた事があると思います。またチャンスがあったら購入して自作デカールにチャレンジしようと考えた事があるかもしれません。私は旅客機を作るようになってから、いつかこのMDプリンターで好きな航空会社の塗装をデカールにして模型に貼りたいと妄想を膨らましておりました。旅客機模型を作るグループの先輩にこの話をしたところ、デカールを専門に代行製作してくれる人に依頼したほうがリーズナブルだと話してくれました。確かに1/144の大型旅客でも3000円〜4000円程度です。市販のデカールでも1500円〜1800円はします。しかし、なんでも自分でしないと気がすまない!まさに3歳児程度の経済感覚でMDプリンターにチャレンジする事にしました。
 折も折、MDプリンターがいよいよ製造中止となる事を知り、さっそく1台オーダーしました。さらにソフトが必要というので、たまたま社会人入学で大学院に在学中でしたのでイラストレーターとフォトショップを学生割引で購入しました。これで一応作業環境ができたのですが、ソフトの操作がわかりません。厚さ4センチもある秀和システム出版のイラストレーターとフォトショップマニュアルを購入して、さっそく朝日新聞社の神風号の朝日マーク製作にチャレンジしました。
 原稿製作にはイラストレーターのトレース機能を使いました。ちょうどトレッシングペーパーで絵や図形を上からなぞるという伝統的な方法をパソコンで処理しようというわけです。マウスを操作するのに微妙な動きが必要で年寄りには疲れる作業ですが、新し物好きの人間としては、結構それなりに楽しめました。
 次はいよいよ印刷です朝日のマークは白と赤です。ページ合成という機能がこのプリンターにあります。この機能がこのプリンターの売りと言ってもいいのかも知れません。ちょうど多色刷りの版画のように、インクを重ねることができます。一般のプリンターのようにも使えますが。中間色は斜め線(ドット)が気になります。市販のデカールと同等の出来上がりを望むのであれば、やはりページ合成の印刷がいいと思います。

直線上に配置

模型的自分史

小学校3年生でマルサンや三共のピーナッツシリーズを作りはじめて以来、40歳の半ばまでわたしは孤立したモデラーでした。学生時代は別の事に夢中で、模型は雑誌をたまに買って読む程度でした。ですから70年代の初期頃に発売になった雑誌や模型が抜けていましました。その後就職しましたが生活が安定せず、なかなか模型にまで手が回りませんでした。30歳になってからは経済的には苦しくても、生活は一応落ち着いてきたので又ボツボツ始めました。その後3年ほど一人でコツコツ作っていました。県外にいる弟も模型好きなので、時々電話で模型の話をしていましたが、なんとなく満たされない気持が強くなり、県内のモデルサークル「自己中心派」に入れてもらいました。技術的なことを知りたいと思って入ったのですが、皆さんのレベルが高すぎて、話を聞いてもさっぱりわかりません。はじめて名前を聞く溶剤は薬屋さんへハンコを持って買いに行くのだそうですし、吹き付用の塗料は美濃和紙で濾して使うのだとか・・・・。「時代は進んだもんだ。」と感心するやら、戸惑うやらで、クラブの月例会では静かに末席を汚しておりました。

そんなことをしているうちに富山と石川のクラブが「自己中心派第1回展示会」に殴りこみ?ををかけてきまして、世間にはもっとすごい奴がいたのだと知る事になります。

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